yoo bird diary

yooが自由気ままに書くブログです

命には限りがあると気づかせてくれた日

20代の頃の私は、メーカーで営業事務をしていました。仕事は大変だし、仕事が大変な割には、給料は安いし、「あー、早く結婚して、専業主婦になりたい」と思っていた私は、28才の時、めでたく結婚退職し、憧れの専業主婦になりました。

ですが、結婚して間もなく、思いもよらないことが起こりました。
夫の会社の後輩君が、仕事中、営業車に乗っていて交通事故で亡くなったのです。

後輩君は、関東の人だったのですが、関西の支店に配属になり、そこで、同じ部署の夫と仲良くなり、関東から来た後輩君の奥さん、結婚前の私たち4人で、旅行に行ったり、よく遊んでいました。

事故があった夜11時頃、後輩君の奥さんから連絡があり、電話口の彼女はパニック状態で、私たちは、すぐに警察に駆けつけました。
会社の上司も駆けつけ、翌朝、後輩君の家族と彼女の家族が、こちらに到着するまで、近くの得意先の社長宅で待つことになりました。彼女と私は女性同士ということで、一つの部屋で二人で休むことになりました。

とにかく、これからがあるので、布団を引いて寝ようと、一つの布団で二人で横になりましたが、寝れる訳もなく、彼女の言葉に相づちを打つだけ、こちらから何を話しかけていいか分からず、彼女のすすり泣く声を聞きながら、自分の無力さと居心地の悪さに、今、振り返っても、朝まで、あんなに時間が進むのが遅く感じられたことがありませんでした。

祖父母の死は、経験していたし、人間は、いつか死ぬということは分かっていたけれど、当時29才だった私は、そのいつかは、まだまだ先で、どこか他人事のような気がしていました。
とても身近な人の死。しかも、自分より若い。
翌朝、夫から聞いて、お通夜、お葬式に行っただけだったら、ここまで深く考えなかったかもしれません。

のんきに過ごしていた新婚生活は、一変し、寂しさと言葉にできないどんよりした気持ちが押し寄せました。
本当に正直なところ、なぜ、このタイミングに死ぬの?とか、なぜ、こんな経験をしなくてはならないの?と思いました。
月日が流れ、だんだん落ち着いてくると、命には限りがある。
私はこれから、どんな風に生きて行きたいんだろうと本気で考えるようになりました。
そして、とても貴重な経験をさせてもらったと思うようになりました。